2018.4.7−4.29■岩澤有徑 展

岩澤有徑 展
 
“ cherry blossm 2018 ”
 
今回の展覧会には、観者がミツバチの視点に立って鑑賞する機会を制作。
ミツバチを見かける経験は誰にもあるが、その生態は、はちみつを採取する以外、
あまり知られていない。そこには、様々なルールや社会の縮図が見て取れる。
成虫は、21 日から 27 日生きていると言われ、メスは、前半に巣の中の仕事を
行い、後半に懸命に花を探し、女王バチに花粉と蜜を届ける日々を送る。
そしてオスは、屋外で外敵から巣を守るのが主な仕事なのだが、だらだら過ごして
いるので” 怠け者” という意味の英語で “ drone ” ( ドローン ) と表象されている。
その生態に様々な好奇心を持った私は、彼女らがどのように植物を見つめているのか、
考察してみたくなり制作を始めた。ほとんどの昆虫は、トンボの目のように
複眼を持っている。赤とんぼの大群の真下で人差し指をかざすと指先に留まる
ように実に正確に実態をとらえていることがわかる。彼らは複眼でありながら、
たくさん有るチャンネルのどの画像を見つめるか、瞬時に切り替える能力を
持っていると洞察できる。そして、東京工科大学の研究チームの発表では、
ミツバチが毎秒 200 回から 400 回点滅している発光体に鋭く反応するという、
実験結果がある。また別の実験では、高速撮影した結果多くのハチは、
1秒に 240 回羽ばたいていることが判明。ミツバチは、天敵のスズメバチを
瞬時に発見し回避行動を取るためにその羽ばたきを察知する動体視力を
持っていると想像できる。またミツバチは、近眼でありながら花粉の黄色だけ
を注視して識別し、それ以外は、ほぼモノクロで花を見つめているのだが、
風に揺れる花びらやスズメバチの接近、隠れたカマキリなどの素早い動きには、
特殊な視力で反応する。そして動かない遠くの景色や建物など危機感のない
ものは、注視する必要がないということが想像される。たった 21 日しか
羽ばたくことができないミツバチには、私の大好きな満開の桜は、どのように
見えるのか、今回の展覧会に際し大変興味深いテーマとなった。
 
岩澤有徑

 


 
岩澤有徑/IWASAWA Arimichi
 
web:uneasiness.net
 
1958 京都府生まれ
1981 桑沢デザイン研究所グラフッィク研究科卒業 (東京)
1989 Bゼミスクール終了 (神奈川)
 
個 展
2017 ギャラリー・エスパス(名古屋)
    オリエ・アートギャラリー(東京)
2016 ギャラリー現(東京)
2015 Hebel_121(バーゼル・スイス)
2014 大分市民ギャラリー(企画:大分県立美術館)
2013 ギャラリーすずき(京都)
    ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
    GYO DONG ART MUSEUM(韓国)
2012 奈義町現代美術館ギャラリー(岡山)
2011 ギャラリー現(東京)
2009 海岸通ギャラリーCASO(大阪)
2008 ギャラリー現(東京)
    Igong Gallery(Daejeon/韓国)
    ギャラリーすずき(京都)
    海岸通ギャラリーCASO(大阪)
2007 ギャラリー現(東京
2006 ギャラリーすずき(京都)
2005 海岸通ギャラリーCASO(大阪)
    ギャラリー現(東京)
    ギャラリーすずき(京都)
    シティーギャラリー(大阪)
2004 ギャラリー現(東京)
    シティーギャラリー(大阪)
    ホワイトキューブOSAKA(大阪)
2003 シティーギャラリー(大阪)
    ホワイトキューブOSAKA(大阪)
2002 シティーギャラリー(大阪)
    ホワイトキューブOSAKA(大阪)
    キャラリーすずき(京都)
    ギャラリー現(東京)
    ホワイトキューブKYOTO(京都)
2001 シティ?ギャラリー(大阪)
    ギャラリーないとう(岐阜)
2000 シティーギャラリー(大阪)
1999 シティーギャラリー(大阪)
    ギャラリー現(東京)
1998 ギャラリー現(東京)
1997 ギャラリー現(東京)
    シティーギャラリーI.M(大阪)
1994 ギャラリーNWハウス(東京)
    ギャラリーないとう(愛知)
    ギャラリーNWハウス(東京)
1993 ギャラリー現(東京)
1992 ギャラリー現(東京)
1989 ギャラリー現(東京)
 
グループ展
2017 ART de MEAT NAGI 2017 (奈義町現代美術館 岡山)
    OVER THE CANNEL (GYO DONG ART MUSEM 韓国)
2016 身も心も!現代アートに恋い焦がれてー利岡コレクション+大分アジア彫刻展(大分県立美術館)
    AOSE 開館記念展(大分県日田市)
2015 中・韓・日美術作品交流展(東北電力大学 芸術学院 吉林省 中国)
2014 アート水族館(招待出品:おおやART LABO/兵庫)
    Four Artist Exhibition(LA ARTCORE GALLERY AT BREWERY ANNEX/Los Angels U.S.A.)
2013 信濃橋画廊コレクション展(兵庫県立美術館)
    Golbang Art Film Festival (全州市/韓国)
2012 Tailand - Japan Sculpture Symposium 2012 (チェンマイ大学美術館/タイ)
    ハンガリー・日本現代美術展 2012 (ギャラリー北野坂/神戸)
    Project Daejeon 2012 : Energy (企画:デジョン市立美術館/韓国)
2011 MIZU VIZ / WATER (The collection of local history of ferencvaros A38 Gallery / Budapest Hungary)
2010 ハンガリー・日本交流展 “WATER” (ギャラリー北野坂/神戸?京都芸術センター)
    OVER TONE U (神奈川県民ホールギャラリー)
2008 AD LACUM FELICIS -Town of glad lake (The Kuny Domokos Museum/Tata Hungary)
2007 神戸ビエンナーレ 2007 (メリケンパーク特設会場/神戸市)
2004 温故知新 (シティギャラリー/大阪)
2002 MEMORABILIA (Goliath Visual Space/NEW YORK U,S,A,)
2001 WE LOVE OUR CUSTOMERS(NEW YORK U,S,A,/Dir,Robbin & Andres)
    倉重光則+岩澤有徑/二人展 (ホワイトキューブOSAKA/大阪)
    第5回大堰川野外美術展/明かりのありか (八木町・京都)
2000 画廊の視点2000 (大阪府立現代美術センター・大阪)
    三浦市現代美術展 <半島1> MIURA ART PROJECT/ゲームと手段 (三浦市・神奈川)
1999 第3回大堰川野外美術展 (八木町・京都)
1998 象の眼に映るブルーフィッシュ (テレコムセンター/東京)
    RESONANT BOX -共鳴・共振する箱- (神戸アートビレッジセンター/兵庫)
    フェリシモ・ミュージアム開館記念 -アートになったハイセンス絵本展- (フェリシモ・ミュージアム/兵庫)
    INTERNATIONAL GROUP SHOW (CAELUM GALLERY/NEWYORK U,S,A,)
1997 Bゼミ30周年記念ベネフィット展 (ヒルサイドホール/東京)
1996 第一回昭和シェル石油現代美術賞展入賞 (東急文化村ギャラリー・東京)
    第36回パリ招待サロン 『現代の巨匠と青年』 招待出品 (エスパス・エッフェルーブランリ・パリ/Dir.パトリック・ジル・ベルソン)
    音の無い夏 (旧三浦市三崎町魚市場・神奈川) 1992 ボイスを考える部屋・穴水展 (穴水町・石川/企画・ワタリウム美術館)
1991 鶴来現代芸術祭/ヤンフートの一日大学 (鶴来町・石川/Dir.ヤン・フート
    ヤン・フートの眼 (三菱地所アルティアム・福岡/Dir.ヤン・フート)
    ボイスを考える部屋 (ワタリウム美術館・東京/Dir.リシアノ・スタニスラウスキ)
1989 HB (ギャラリー現/東京)