2015.4.6−4.18■小野サボコ-image no botan-

■作家略歴
小野 サボコ/ONO Saboko

   image no baton


2007年から、様々な形でアルミと向き合い制作をしています。
いろんな作品を摸索しつつ、制作する合間になのですが
業務用のアルミテープで缶バッチを作り
かれこれ350個ぐらい制作しました。
直径5cm程の小さな丸いアルミのシートに抽象的で未だ説明しえない
イメージ達が産まれては様々な人々の所に旅立っていきました。

無数のイメージはまるでわたしの細胞の一部かのように何年経っても
彷徨いながら消えることなく存在しました。
そしてその無数のイメージ達の中からいくつかのパターンを持ち始め、
時には変化しながら蘇り、またそこから新たなイメージとして
産まれ変わるものも出来てきました。

今回の展示は、そのイメージがどこから来ているのか
追求したい一心で少し大きめのサイズで作品を連作しました。
その作業は昔、描いていたイメージとの再会であったり
どこからか湧いてくるイメージの源に近づく第一歩でした。

実はこの無数のイメージが産まれるきっかけとなったものは、
大好きな雅美族や海洋民族のバジャウやミナンカバウ族を
探して旅をしていた頃の自分が原点なのです。
そして今回の制作を通じて、それらの少数民族とサボ族(笑)
が根底で繋がっている、リンクしているのではないかと気付き
深い感動を覚えました。

このように人間は無意識で繋がり合っているものの、それぞれの部族が
イメージを伝え育ててまたそのイメージを持ち永い時間軸の中で
ゆっくりと変化させてきたのではないかと思うのです。

そしてまた、無意識の共通部分であるイメージの核と成るものを
まるでDNAのように人類が実は持って生まれてくるのではないかと
思うのです。人は何らかのイメージを創ることで無意識の連鎖を
繰り返しよりその核となるものを意識化することが出来るような
気がしました。

それはまるで、感覚のなかで迷い彷徨っている子供をみつける
ような作業であると言えます。
イメージを無意識のなかで浮かび上がらせ、新たな自分との
出会いを起せるどこか神秘的な作業であるとわたしは思います。

この作品展を通してアルミの持つ白い光の束に刻まれた
イメージのバトンをサボ族のわたしや人類のもつ無意識と
共に感じて頂ければ幸いです。